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現在では、科学技術や社会価値の変遷に適応するため、現代デザインには「リフレーム」の概念が用いられる場合は少なくはない。私は、リフレームに最も重要なポイントは人の固有印象を変容させ、様々な物事から長所を抽出し、組み合わせ、マイナスをプラスに転変することから人の価値観を変えることだと思う。
2006年、据置型ゲーム機Wiiの発売はゲーム機インタラクションの革命を起こした。300万本越えの売り上げを記録したWii SportsやWii Fitらのソフトウェアはいつものスポーツシミュレーション機とは違い、ゲームプレイヤーが馴染んでいるゲーム要素が巧みに入れられたため、運動が苦手な人も夢中になった。その例から、運動という、私みたいな人に対してマイナスなことを、ゲームという楽しくてプラスなことと組み合わせ、所謂ゲミフィケーションの手段で、大勢な人の運動不足の改善に役に立った。
とはいえ、上述のような方法の成功はたやすくないと言われている。情報学研究者の栗原によると、ただのプラスの方の要素羅列だけでは、反作用が生まれかねない。ゲミフィケーションを例として説明する。第一、マイナスな部分をプラスに変容させるように使う手段のため、バランスの取りようによって、仕事のゲーム化もゲームの仕事化になりうる。第二、目標の達成と共に、ユーザーはどのようなボーナスが欲しがっているのかは工夫して考慮すべき問題である。そのため、ゲミフィケーションのような手段は、ユーザーが本来マイナスからプラスへ転換する方法の提供役であるべきで、辛くてつまらないことから、楽しいことへ変容させることが可能にする。
Wiiの後継者として、Nintendo Switchの誕生は様々なリフレームの可能性のインキュベーターと考えられ、Joy-conの組み立て方によって、リアル生活中の仕草を模倣する可能性も生まれる。特にリングフィットアドベンチャーの発売は、Switchの長所を活かし、Wii Sportsの取得した成果をもう一層に推進した。均衡に取れたRPG冒険とトレイニングのバランスと健全なカスタマイズシステムでは、ゲームの運動化にならず、ユーザーが自分に合うトレイニングコースを行えると共に、ゲームの楽しさも楽しめる。それに、有効な可視化機能はユーザーの成果を焦る気持ちを満足させ、自分の少しの動きも体の健康に貢献しているとユーザーに実感させることができる。そのため、ゲームというプラスなもので、固有印象でもある「運動の辛さ」を中和させ、主要目標はカロリーを消費することから、敵を倒しながら色々なアイテムを収集することに転変し、運動は面白いと思わせることができた。
任天堂はゲーム会社とはいえ、面白いゲームを開発することだけではなく、ゲームの面白さで社会の退屈さを変えるのにも取り組んでいる。運動のみならず、苦手や嫌いだと感じるものが、自分や社会にとってプラスを与える物事が沢山ある。リフレームの手法で変容させるのもデザインの大切な役割だと思う。